今回は体験談も交えつつ、映画を観て感じたことを書きます。
以前にも何度か観たことがあったのですが「キャプテン・フィリップス」という映画をもう一度観る機会がありました。ソマリアの海賊にMAERSK社の貨物船が襲撃され、誘拐された船長を米国海軍が救出するという実際の事件を映画化したものです。ソマリア沖での海賊事件は昨年も今年も起きていませんが、10年前は年間200件以上発生していました。
映画の中では食料すら満足に手に入らないにもかかわらず、カラシニコフ機関銃AK-47は簡単に手に入るというのが印象的でした。AK-47については、自分の外交官時代の体験があります。(海賊とは無関係ですが)邦人保護のために早朝のフライトで某国に入り、軍隊に囲まれた中の邦人のもとへ、外交官パスポートを見えるように掲げながら進んだときに、AK-47の銃口をこちらに向けられたことがありました。凶悪な強盗事件が多発する途上国では簡単に引き金を引くことを知っていたので、さすがに恐怖を感じたことを覚えています。(おそらく塾業界でこのような体験をしたことがあるのは自分だけのはずです。)邦人の方はその後解放されましたが、後日いただいた御礼状には、毎晩悪夢でうなされると書かれていました。映画のモデルとなった貨物船の船長もおそらく同様のはずで、経験した人にしか分からないものだと思います。
映画では、犯人の海賊1人が逮捕され、残りは射殺されて終わりました。普通の作り話の映画であれば、悪が滅びて正義が勝つということで多くの人が共感できますが、実話に基づくこの映画では、射殺された海賊にも家族がいるはずで、その家族はきっとアメリカ人を憎んでいるはずだという思いになりました。いわゆる戦争は殺し合いであり、それは憎しみしか生まず、平和への近道になりえません。ソマリア沖での海賊事件が今は起きていないということなので、AK-47ではなく食料を手にすることができる平和への道を歩みつつあることを願いたいです。
昨年来日された時にお世話をした南スーダンの人は、日本の街並みを眺めながら感慨深く「日本はあらゆることが整然と動いているね」と話したので、自分は「そうでもないよ、陰の部分もたくさんあるよ」と答えました。同じくナイジェリアの人は、帰国する時に「日本人は本当にいい人ばかりだね」と言うので、自分は「そうでもないよ、悪い奴もたくさんいるよ」と答えたら、「少しはいるのかもしれないけれど、割合が段違いだよ」と話していました。その他にも、来日時の写真をFacebookに今でも繰り返しアップロードして「良い思い出ばかりだった」と何度もコメントしてくれる人もたくさんいます。
新型コロナウイルスの感染拡大で世の中が乱れに乱れ、1年間があっという間に感じています。テレビなどでは日本国内や先進国の感染状況ばかり報道されており、もちろん日本国内の重症者や死亡者は少ないに越したことはありませんが、日本が途上国の人たちからこれからも憧れてもらえ、彼らを平和への道に導けるリーダーであり続けるためには、自国のワクチンの確保だけを考えて安堵せずに、彼らの国々の状況にも関心を向けていく必要があると思います。
世界の舞台がみなさんのことを待っています。その前に、しっかりとインプットをして自分を鍛えておきましょう。もしやりかけの問題集があったら、年内にやり終えて年を越しましょう。そして、新年からは新しい問題集で、新たなインプットをしていきましょう!

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